悪い女は長生きするよ
このブログの中盤寄りの初期に出て来る
糖尿病のおばあちゃんのお見舞いに行きたい。
また血糖が高くなってしまい、その影響で見えなくなっていた左目の手術が出来ず、9月3日から再入院したらしい。
おばあちゃんが先日電話をかけてきて教えてくれたのだ。
彼の誕生日ももうすぐ控えているし、
わたしはどうしても退院しなくてはならない。
はやく元気にならなくてはならない。
めくらでもう死にたいと泣きながら電話してきたおばあちゃんを元気付けたい。
前の病院の隣りの病床にしばらくいたおばあちゃんが吉田さんだった。
私の仕事関係の友人男性が
東京からわざわざ群馬にお見舞いに来てくれた時、テレビカードを帰り際に2枚買ってくれた。
テレビカードは病院では貴重なものだ。
テレビの他に洗濯、冷蔵庫、自販機などにも使え、余れば換金できる。
長い入院の真っ只中で2枚のテレビカードはすぐに消費してしまうのが目に見えていたが、わたしはどうしても一枚は吉田さんにあげたかった。吉田さんはテレビが大好きで、いつもテレビにも話しかけていた。
「吉田さん!さっきお見舞いにきた男の人がテレビカードくれたからあげるよ!」
「イヒヒ、あんた悪い女だね、みどりちゃん。
悪い女は大丈夫。わたしみたいに長生きするよ。」
そういって前歯の無い歯を見せて笑った。
わたしはその顔を忘れない。
その時ふと
私はもしかしたら
前世、売春宿の売春婦で
その時の元締めババアが吉田さんだったのでは無いかなと思った。
隣に入院しただけの割に、
年も50以上離れてるのに、
急激に仲良くなりすぎているからだ。
前世、親のいないわたしを
親がわりで面倒見てくれたのが吉田さんだったのかもしれない。
とてもくだらない妄想だ。
転院前にも信頼している看護婦さんに
わたしの余ったテレビカードを
吉田さんに渡してと頼んでおいた。
昨日前の病院の看護婦さんと
久々にラインをした。
相変わらず
病院では吉田節を炸裂させているらしい。
そして入院後すぐに渡されたテレビカードの存在はもう忘れてしまったらしい。笑
どうか私のことだけは忘れませんように。